たきぶろぐ

「大人」になりたくない人の雑記

日本学術会議の任命拒否、本当にダメなの?

お久しぶりです。

課題に向かっていたらいつの間にか、安倍首相は辞任し菅総理が誕生し、トランプ氏はコロナに感染し...この1ヶ月だけでも目まぐるしく動いているなあと、思いました(小並感)

さて、ここ数日Twitterに連日トレンド入りしていて気になったことがあるので、それを今日は取り上げていこうと思います。

日本学術会議会員任命拒否問題、反対派の主張を見る

日本学術会議の会員任命拒否問題の流れ

日本学術会議の会員は3年ごとに半数の105名が入れ替わるという、参議院と似たようなシステムで動いています。

会員の任命権は内閣総理大臣、今でいう菅首相にありますが、会員になるためにはまず、研究団体から推薦を受ける必要があります。推薦を受けた会員候補者を内閣総理大臣がそのまま任命するというのがこれまでの「慣習」でした。

しかし、菅首相は今回105名のうち6名の会員候補者の任命を拒否しました。これまで会員候補者の任命拒否は一度もなされたことがないうえ、1983年に政府が「形だけの推薦制であり、学会から推薦された者は拒否しない」と国会で答弁をしていたために、言うことが違うじゃないか、とこれが今物議をかもしています。

また、この任命を拒否された6名の学者は安倍前首相の政策に反対をしていたため、「安倍首相の取り組みを継承する」と発言していた菅総理が恣意的にこの学者を任命しなかったのではないか、とも言われていますね。

 そもそも日本学術会議ってなに?

この問題が出るまで「日本学術会議」という名前を聞いたことがある人は少なかったのではないでしょうか。僕も聞いたことありませんでしたし、存在自体知りませんでした。日本学術会議の公式サイトにはこう書かれています。

日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、昭和24年(1949年)1月、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました。職務は、以下の2つです。

  • 科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。
  • 科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。
  • 日本学術会議は、我が国の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の約87万人の科学者を内外に代表する機関であり、210人の会員と約2000人の連携会員によって職務が担われています。

日本学術会議の役割は、主に以下の4つです。

  • 政府に対する政策提言
  • 国際的な活動
  • 科学者間ネットワークの構築
  • 科学の役割についての世論啓発

出典:日本学術会議とは|日本学術会議

要約すると、国民や行政に「科学」を浸透(理解を広める)させるために、つくられた組織みたいです。政府に対して政策を提言することもあるようなので、政治とのかかわりもなくはなさそう。

任命拒否で「学問の自由」は失われるのか

今回の任命拒否で一部の方々は「学問の自由が危ぶまれる」と仰っていますが、本当にそうなのでしょうか。日本国憲法第二十三条には確かに学問の自由を保障する条文が明記されています。

が、日本学術会議に入らなければ学問ができないというわけではありません。それに、今回任命を拒否された6名の学者に関しても、任命されなかったからと言って学問ができないというわけではありません。この日本学術会議に参加ができないというだけです。

なので、僕は一部の方々が仰っている「学問の自由が危ぶまれる」という主張は、全くのウソ、虚偽の主張であると思っています。

日本学術会議に参加しなくても研究、学問は勿論できますし、政府に反対する主張をしたからと言って、中国のように不当に弾圧を受けると言ったことはないです。

寧ろ日本には正確な数は分かりませんが、何十万、何百万人の学者がいるかもしれません。そのうち日本学術会議に参加できるのは会員、連携会員を含め2000人ちょっと。日本学術会議に参加していない人の方が圧倒的に多く、「任命拒否で学問の自由が危ぶまれる」の主張が正しければ、この会議に参加していない学者には学問の自由がないということになると思うのですが、そうでしょうか。

「任命拒否は違法だ」との主張は誤り

そして、これまた一部の方々が「任命拒否は違法である」と主張していますが、「日本学術会議法」を見てみます。

日本学術会議法第七条には「会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。」と記されております。では「第十七条の規定」とは何なのか。第十七条には「日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする。」と記されています。

内閣総理大臣は日本学術会議が推薦したものを拒否してはならない、または必ず任命しなくてはならないといった記載はありません。そのため、「任命拒否は違法だ」との主張は全くの誤りであると言っても過言ではないです。

1983年に政府が「形式的な任命」と国会で答弁しており、それを根拠に「違法だ」と主張している方も見かけますが、そもそもこの法律に「内閣総理大臣は形式的な任命を行う」とも明記されておらず、「内閣総理大臣が任命する」としか記載されていないため、解釈の仕方次第で変わってくるので、この主張も無理があると思います。

「安保法に反対しているから任命拒否した」も誤り

そしてこれまた一部の方々が「安倍前首相の政策に反対しているから」「安保法に反対したから拒否した」と主張していますが、これまた誤りです。

今回任命拒否をされたのは105名のうち6名の学者でしたが、他の任命をされた99名の学者の中にも「安保法」に反対している学者が居ます。そのため安保法に反対しているから任命を拒否したとの主張は誤りであることが分かります。

こう見てみると、今回の任命拒否で騒いでいる人たちが主張していることって、殆ど誤りというかでっち上げと言った感じが否めません....。

そもそも日本学術会議っているの?

役割を果たせていますか?

日本学術会議の役割って、そもそもなんでしたっけ。国民や行政などに化学を浸透させることでしたよね。その役割を果たすことができているでしょうか。大多数の人間がこの騒ぎが話題になるまでは、そもそもこの会議の存在すら分からなかったと思います。

この団体が何をやっているのかも周知不足で、全く分かりません。役割を果たせていない団体に税金が垂れ流しになっているのは、納得がいくでしょうか。

中国「千人計画」に協力?

ソース(情報元)がまだあやふやではあるのですが、あの悪名高い中国共産党の「千人計画」というプロジェクトに協力しているのではないかとの噂も流れています。

中共の「千人計画」とは簡単に言うと、中国が科学技術強国を目指して海外から優秀な学者を集めるプロジェクト。科学技術と中国は説明しているものの、その科学技術が中国人民解放軍などに軍事転用されることも否定できません。習近平国家主席は「軍民融合」を更に推し進めていますし。

その千人計画に日本学術会議が積極的に協力をしているという噂があります。というか甘利氏がそう発言をしています。

日本学術会議は日本の軍事研究には不参加、突っぱねるくせに中国の軍事研究には積極的に協力をするという、矛盾したことをしています。中国と言えばここ数年で軍備を増強し、近隣諸国に喧嘩を売りまくっている国。そんな「敵国」ともいえる中国の軍事研究に協力するとはどういう神経をしているのでしょうか。

情報元があやふやなので断言はできませんが、参加していなければ「参加していない」ときっぱり否定をすればいいだけの話であり、それをしないということはどういうことなのか。

※2020年10月13日追記
日本学術会議は中国の千人計画には関与していない、参加する計画もない旨発表しました。

ただ、菅首相は説明をすべき

日本学術会議の会員候補を任命拒否してはならない、必ず任命しなければならないという法律はないのですが、任命を拒否した理由は説明すべきだと思います。理由もなく任命を拒否したのであればそれは恣意的なものと思われても仕方がないですね。

きちんと理由を説明しないから「違法だ」「安保法に反対した人だからだ」ととんでもない主張が出てくるのであって、理由を説明すれば、納得する人も出てくると思います。

正直な話、僕も気になりますしね。安保法に反対している他の学者は任命し、この6人だけ拒否された理由。

「個別の人事に関するコメントは控えたい」と言っていますが、何かやましいことがなければ説明すべきですし、説明できないと言うことは何かやましいことがあるのではないかと、ますます疑念を抱かれるだけです。今回の菅首相の任命拒否自体に違法性はないですし。

 

日本学術会議も日本学術会議で、独立した組織とはいえ、内閣総理大臣所轄であり、年間10億ものお金がつぎ込まれているわけです。内閣総理大臣が任命権を行使し、任命を拒否されたくらいでギャーギャー喚くくらいなら、自分たちで完全に独立して運営をすればいい。そうすれば内閣総理大臣に任命を拒否されることもないし、自分たちの好きなようにできる。

それをしないで大量の税金をもらって、任命を拒否されただけで喚くのは「金は貰うけど俺たちの好きなようにやらせてくれ」と言っているようなもので、非常に幼稚で、利己的、自己中。国民を馬鹿にしているようなものです。

菅首相が任命を拒否したのも、敢えてこの「日本学術会議」という組織の問題を表に出すことが目的だったのではとも思えます。

菅総理や河野太郎行政改革担当大臣をはじめ、菅内閣がこれまでの「悪しき風習」を洗い出し、改革を実行していることは周知の事実であり、この日本学術会議も「改革の一環」なのかもしれませんね。