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「大人」になりたくない人の雑記

安倍政権時に拉致被害者の帰国を拒否。なぜ?

先日2014年から2015年頃に北朝鮮から拉致被害者2名の帰国を提案されたものの、当時の安倍政権が拒否したと報じられました。

なぜ当時の安倍政権は拒否したのか。僕の憶測にはなりますが書いてみたいと思います。

ニュース概要

日本政府が安倍政権当時の2014~15年ごろ、政府認定拉致被害者の田中実さん=失踪当時(28)=と、拉致の可能性を排除できないとしている金田龍光さん=同(26)=の「一時帰国」に関する提案を、北朝鮮から受けていたことが16日、分かった。提案に応じれば拉致問題日本政府が安倍政権当時の2014~15年ごろ、政府認定拉致被害者の田中実さん=失踪当時(28)=と、拉致の可能性を排除できないとしている金田龍光さん=同(26)=の「一時帰国」に関する提案を、北朝鮮から受けていたことが16日、分かった。提案に応じれば拉致問題の幕引きを狙う北朝鮮のペースにはまりかねないと警戒し、拒否していた。複数の交渉関係者が明らかにした。

出典:拉致被害者2人の一時帰国拒否 安倍政権時、幕引き警戒(共同通信) - Yahoo!ニュース

なぜ北朝鮮は2014年になって「一時帰国」を提案したのか推測

2000年代初頭に当時の小泉首相が北朝鮮と交渉し、拉致被害者の一部が「一時帰国」をし、10年以上もの空白の時間が過ぎたあと、なぜまたも「一時帰国」を提案したのか。

報道で拉致被害者の一時帰国の提案があったとされる2014年の少し前、2013年上旬に北朝鮮は弾道ミサイルの発射実験に加えて核実験を行っています。これらの北朝鮮の行動により、国連にて対北朝鮮の制裁が更に加えられることになりました。

さらに、もっと遡れば2011年末に金正日氏が亡くなり、そのあとを継いだのが金正恩氏。政権発足当初は権力も盤石と言えず、粛清や公開処刑などを繰り返していたことも明らかになっています。

そこに制裁が加わり国民の暮らしがより厳しくなれば、国民の反発を招き、下手すれば政権が崩壊するかもしれない。

僕が思うに、北朝鮮がなぜ2014,5年になって拉致被害者の一時帰国を提案したのかというと、政権が発足して間もない金正恩政権が2013年の核実験などによって追加で行われた制裁がじわじわと効果を示し、北朝鮮国民からの反発が起きかねないことから、ここで拉致被害者を日本に帰国させ、日本から何らかの譲歩を引き出すためなのではないか、と推測します。

ではなぜ安倍政権は提案を蹴ったのか

ではなぜ安倍政権はその提案を蹴ったのか。

前項の僕の推測でもあるように、拉致被害者を一時帰国させる代わりに、制裁緩和や解除などを要求してきたのかもしれません。

日本が制裁を解除、緩和をすれば、北朝鮮に対して制裁を加えている国際社会から日本が孤立することになりますし、何よりも日本に向けてミサイルを発射していることから、日本が制裁緩和、解除をするなんてことは北朝鮮が武力による脅迫、挑発行為を止めない限りはありえない話です。

また今回の報道でも触れられていましたが、ここで提案を受け入れ二人の拉致被害者が一時帰国を果たせば、北朝鮮が「拉致問題は解決した」とし、これ以降拉致問題に関して協議を打ち切る可能性があります。

現に2000年代初頭に小泉政権で拉致被害者が5人帰国した後に北朝鮮は「拉致問題は解決した」と主張をしています。

以上のことから安倍政権は北朝鮮側の提案を蹴ったのではないかと推測します。

嘘に嘘を重ねる、「嘘まみれ」の北朝鮮

そもそも北朝鮮は拉致問題に関して嘘を重ねていました。

小泉元首相が北朝鮮を訪問し金正日氏が認めるまで、朝鮮総連は拉致をでっち上げだとして、日本人を拉致したことを認めませんでした。そして、小泉元首相が訪朝し5人が日本へ帰国した後、拉致問題は解決したとしていました。

しかし、2014年、15年にこのような提案がされたということが事実だとすれば、北朝鮮内にはまだ拉致された日本人が残されていて、拉致問題は解決していなかったことになり、「拉致問題は解決した」と主張していた北朝鮮との発言に矛盾が生じます。

「拉致していない」と嘘をついた後に、「拉致問題は解決した」と嘘をつく、嘘に嘘を重ねる嘘まみれの国、北朝鮮。

北朝鮮に拉致され、日本への帰国を望む人が日本に帰国できることを祈ります。