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自衛隊は違憲なのか?

タリバンの侵攻によって混沌としているアフガニスタン。現地に日本人や、現地採用のスタッフが取り残されていることから、日本政府はアフガニスタンへの自衛隊派遣を決定しました。

これには「自衛隊は違憲だ」と主張する日本共産党の方々はだんまりですが、そもそも自衛隊は本当に憲法違反で、あってはならない存在なのでしょうか。

「自衛隊は違憲派」の主張

自衛隊は憲法9条に違反している!というのが違憲派の主張ですが、ここで改めて憲法9条を見てみましょう。

第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

出典:日本国憲法 | e-Gov法令検索

日本国憲法第二章の9条には以上のような文言があります。

日本は戦争、武力による威嚇、行使はしない。そしてそのための陸海空軍その他の戦力は保持せず、交戦権はこれを認めないと。

自衛隊は武力であって、自衛隊という名前ではあるが、事実上の陸海空軍であるし、仮に陸海空軍でなかったとしても、「その他の戦力」に自衛隊が含まれるのではないか。そして、それを保持しないと言っているのだから、自衛隊はあってはならない存在なのではないか。という主張。

違憲派に対する反論

僕は自衛隊は合憲で、日本に必要な存在だと考えています。

確かに自衛隊は戦力であり、ぱっと見反対派の主張するように、憲法9条の2に違反するとも捉えることができます。しかし、その冒頭には「前項の目的を達成するため」と書かれています。

憲法で自衛権は放棄していない

ではその「前項の目的」とは何か。前項を見てみると「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」とあります。ここから、「前項の目的」とは、「正義と秩序を秩序とする国際平和を希求」することと、「国権の発動たる戦争、武力による威嚇・行使は国際紛争を解決する手段として放棄する」ことなのだと分かります。

自衛隊はあくまでも、日本国、日本国民を自衛するための戦力であって、他国に攻撃をしたり、武力で脅迫するための戦力ではありません。そのため、「前項の目的」は達成しています。

実際、自衛隊が他国に攻撃を仕掛けたり、日本固有の領土である竹島を不法占拠している韓国や、北方領土を不法占拠しているロシアにすら攻撃をしていないことから、それは事実であることは分かると思います。(竹島に関しては韓国は話し合いに応じないし、「日本の領土を守るため」という口実で攻撃をしてもいいとは思いますが。)

そのため、自衛隊はあくまでも「自衛のための組織」であって、「他国に武力による威嚇、武力行使をする組織」ではないため、憲法9条には反していないと考えています。

憲法では自衛権を放棄していませんからね。9条の1にもあるように、放棄する場合は「放棄する」と明記しますし、してはならないことは「してはならない」と書かれています(日本国憲法21条など)。しかし、自衛権の放棄とは明記されていないことから、自衛権は放棄されておらず、自衛のための戦力を持つことは違憲ではないと解釈ができます。

 

しかし、これに対して「他国が仮に日本に攻め込んできたとき、日本は他国と戦争をするではないか!これは交戦権を認めないとする憲法9条その2に違反する!」と主張する人も居ると思います。これに関しては防衛相が説明をしているので引用します。

 憲法第9条第2項では、「国の交戦権は、これを認めない。」と規定していますが、ここでいう交戦権とは、戦いを交える権利という意味ではなく、交戦国が国際法上有する種々の権利の総称であって、相手国兵力の殺傷と破壊、相手国の領土の占領などの権能を含むものです。一方、自衛権の行使にあたっては、わが国を防衛するため必要最小限度の実力を行使することは当然のこととして認められており、たとえば、わが国が自衛権の行使として相手国兵力の殺傷と破壊を行う場合、外見上は同じ殺傷と破壊であっても、それは交戦権の行使とは別の観念のものです。ただし、相手国の領土の占領などは、自衛のための必要最小限度を超えるものと考えられるので、認められません。 

出典:防衛省・自衛隊:憲法と自衛権

他国が日本に攻め込んだ時、攻め込んできた他国軍と戦争をするのは事実です。しかし、それは日本国、日本国民を守るための戦争であり、これは自衛権の行使に当たる。そして、自衛権は憲法では放棄されていないため、憲法違反ではありません。

しかし、相手国の領土に攻め込んだり、植民地化するなどは自衛ではなく、武力行使、武力による威嚇に該当するため、憲法違反であってこれを行うことはできません。

防衛費の増加は自然なこと

「防衛費は年々増加しているではないか!これは『自衛のための最小限の武力』に反する!」という声もあります。確かに2022年度は過去最高額を要求しています。

しかし、隣国の中国はアメリカが認めるほど、先進的な兵器を開発していますし、台湾、尖閣への軍事侵攻も現実味を帯びてきています。中国の軍事費は日本の4倍近くもあり、その人口から考えても分かるように、中国人民解放軍に所属する兵の数は圧倒的。

北朝鮮も度重なるミサイル開発で、現在はアメリカ本土が射程圏内に入るほどのICBM、ミサイルも所有しています。核実験も繰り返し行い、最近では核弾頭を搭載したミサイルの開発にも成功していると考えられます。

韓国は言わずもがな、日本の領土竹島を不法占拠し、今度は対馬まで「韓国の領土だ」と主張し始めている始末。対馬には日本国民も在住していることから、対馬に住む日本国民の命が危険に冒されます。

ロシアは日本の領土、北方領土にて軍事演習を行い、戦車やミサイルなどの兵器を配備、軍事拠点化が進んでいます。

日本の周辺国だけでもこのような軍事活動を行っているのに、日本の防衛費は増加しないわけがないですよね。いつまでも低予算だと、兵器もそれなりのものしか買えないでしょうし、開発もできないでしょうし。

 

日本の防衛費増加に文句を言うなら、周辺国に「軍事活動をするな」「日本の領土を不法占拠するな」と言うべきでは。自衛隊をも違憲と主張するのであれば尚更。周辺国がこんなことをしなければ、日本は戦力を保持する必要がないもの。

まあもっとも、どの国も自分の国を守るためにそういうことをやっているのでね。中国は中国を守るため(尖閣諸島などの日本領土を除く)、韓国は韓国を守るため(竹島・対馬などの日本領土を除く)、ロシアはロシアを守るため(北方領土などの日本領土を除く)、北朝鮮は北朝鮮を守るため(竹島・対馬などの日本領土を除く)。なのでやめろと言ってもやめないでしょうね。

であれば、日本も日本を守るための行動をとりましょうよ。

アメリカは日本を守ってくれるか

自衛隊が派遣されるであろうアフガニスタン。なぜタリバンがここまで息を吹き返したかと言うと、アメリカ軍が撤退を発表したから。

アメリカはこれまで20年近くもの間、アフガニスタンに対して資金や武器、そしてアメリカ軍兵士などをつぎ込んできましたが、結局状況は好転せず、撤退を決めました。

撤退したのはやはり、状況が好転しなかった、これ以上戦争を続けても資金とアメリカ兵の命が失われるだけ。

アフガニスタン軍は職務放棄、敵前逃亡、資金の横領などなど、結局自分たちで国を守る気が無かった。これはバイデン大統領も言っていますが、当のアフガン軍が闘わないのに、なぜアメリカ軍が犠牲を払ってまで戦う必要があるのか。それはアフガンの首都カブールにタリバンが攻めて来たときに、アフガンのガニ大統領が国民を見捨て、一目散に隣国へ脱出したことからも分かりますね。

このことから分かるように、仮に日本に他国が攻めて来た時、日本に自国を守る気が無かったら、米軍は日本を守ってくれるのか、守ってくれると確信をもって言える人は少ないのでは。

安保条約があるとはいえ、日本はアメリカ軍に頼りきるのではなく、自分たちで自分の国を守ることも大切では。そのためには最低限、自衛隊はもっていないとですね。何の訓練もしていない、僕のような人間がいざと言うときに戦えるとは思えませんし。

自衛隊は違憲なのか?