たきぶろぐ

「大人」になりたくない人の雑記

BALMUDA(バルミューダ)、スマホ事業撤退へ

先週の土日、友人に勧められてハリーポッターを見たんですけど、いやあ良かったですね。今まで食わず嫌いならぬ観ず嫌いをしていたのですが、もっと早くに見ておけばよかった。これはファンが多い理由も納得ですね。まだ賢者の石しか見れていないので、時間をかけながらシリーズ全て見たいです。

さて、先日あのBALMUDA(バルミューダ)が、スマホ事業を終了することを決定したと報じられました。BALMUDA Phoneの発売から約1年と半年。僕はBALMUDAのものは一切持っていないんですけど、BALMUDA Phoneには期待していたのでちょっと残念です。なぜBALUMDA Phoneはあそこまで言われたのか、推測してみたいと思います。

BALMUDA(バルミューダ)、スマホ事業撤退へ

小さな画面は求められていたのか

BALUMDAの寺尾社長は「今の世の中のスマートフォンが、あまりにも画一的になっている。誰もやってくれない、自分たちでやろう」と語っています*1

なぜスマホのデザインが画一的なのか。それはスマホのデザインは”完成”したからだと僕は思います。完成というよりは”頭打ちになった”という表現が正しいのかもしれません。

今のスマホはただの携帯電話ではないですよね。これでゲームをしたり、動画を見たり、ネットを見たり、音楽を聴いたり電話だけではなく一種の娯楽にもなっています。だから今のスマホは大画面化、リフレッシュレートやサウンド性能を重視しているわけです。その結果、必然的に大画面化し、でもポケットに入れたり、かさばらないようになるべく薄く、スリムに。ボタンは押しやすいように側面に配置したり…そうすると必然的にみんな似たようなデザインのものになりますよね。

あとはその他の細かなところでどのように差別化を測っていくのか。材質やスマホ自体の性能などなど。なので寺尾社長の「画一的になっている」というのは一理あるとは思いますが、それはスマホの進化の結果であって、そこは否定してはならないと思います。受け入れつつ、もっとこうしたら良いのじゃないかとさらなる進化を目指すのは良いのですが、BALMUDA Phoneはそれをできなかったのではないかと思います。

価格に見合った「体験価値」があったか

寺尾社長は製品開発の際に度々「体験価値」という言葉を発しています。モノを売るのではなく、体験価値(体験すること)を提供すると。

この発想は良いものだと思います。それこそスマホなんて、iPhoneを始め、競合がたくさんある。モノだったら、他社のものでもいいじゃないかとなります。なので、「BALMUDA Phoneでしか体験できない」ということを詰めていく。これは良い発想だと思います。

しかし、結果的にそれができたかというと、それはBALMUDA Phoneに対する評価を見れば、できていなかったのではないかと思います。

僕はBALMUDA製品を使ったことはないのですが、トースターや掃除機、扇風機などは、たしかに他社と比べると価格は高いですよね。でも評価を見る限りはトースターで焼いたパンは美味しいし、扇風機もBALMUDAの独自設計、掃除機は僕も家電量販店で体験しましたが、本当に浮いてるような感覚で、動かしていて楽しかったですし。このように、これまでの製品は価格に見合った価値があったと思います。

しかしBALMUDA Phoneはどうだったかと問われると、うーん…って思いますね。

SoftBankショップでちょっとだけ触ってみましたが、確かに持ちやすいし、画面が小さいので操作もしやすい。でも画面遷移がもたついたり、アプリを開くときのアニメーションが止まったりするんですね。これで10万円超えの価格は正直…。

寺尾社長はテレ朝のインタビューで価格が高いと問われたときに、「スペックではなく体験を買っていただきたい」と回答していますが、価格とその"体験"が釣り合っていなかったのではないでしょうか。ただ、これはBALMUDAの家電を使ったことがない個人の私見なので、BALMUDAが好きな方には「いやいや、10万の価値がある」と思う方も居ると思います。

ただ、ほとんどの人は「10万も出すんだったらiPhone買うわ」と思うでしょうね。この価格で動きはもっさりしているわ、画面は小さいわ、価格に見合った価値があると思う人は少なかったのではないかと思います。

独自開発アプリ…それいります?

あとアプリを独自開発したと仰っていますが、これもいるのかなーなんて思います。これもSoftBankショップで触ってみたのですが、「これはすごい!」とはなりませんでしたね、「体験価値」と言う割には。

それに、Google Playにはアプリがごまんとあるので、BALMUDAがつくらなくてもユーザーは他のアプリを探すでしょうし、Androidのデフォルトアプリが好き、使い慣れている人は、BALMUDAのアプリは使わず、Googleカレンダーなり純正の電卓アプリを使うと思います。

わざわざ使い慣れているものを変える必要はありませんからね。また使い慣れるのに時間がかかりますし、「あの機能がない!」とかなったら不便でしょうし。

このアプリももし1から開発していたらコストがめちゃくちゃかかっていると思うんですよ。これも機種代に含まれて、結果的にこの価格になってしまったのだとしたら、うーん…って思います。

電卓アプリも日本円とドルを換算できるとか、単位を変換できるとか言っていましたが、それは他のアプリでもできますし、そもそもそこまで需要があるかと問われると、殆どの人は必要ないのではないかと思います。

期待はしていた

こんな酷評してますけど、実は期待していたんですよね。日本からiPhoneのように、世界中にシェアが広がるスマホが産まれるかもしれない、BALMUDAが世界に名を轟かせるかもしれないと。

Androidスマホも最初は熱暴走したり散々でしたが、そこから今は世界の約7割、日本の約5割までシェアを拡大しています。

BALMUDAはスマホメーカーではありませんから、失敗するのは当然のこと。この第一作で得られた声をもとにBALMUDA Phone2を制作していけば、きっと良いものができたと思います。

なので、半導体の高騰などで事業を終了してしまったのは、すごく残念に思います。凍結ではなく終了と言っている以上、再参入はほぼ無いなのではないかと思います。

寺尾社長も仰っていますが、ぜひこのスマホ事業で学んだことを活かしてより良い製品をつくってほしいですね。

僕もなにかBALMUDAの商品買おうかな。なにかおすすめあります?できれば安めのもので(小声)。