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「大人」になりたくない人の雑記

ジャニーズ、社長が謝罪も...知らなかった?

先日電車に乗った時のことなのですが、座席が一つしか空いていなくて、高校生くらいの男の子と席を譲り合ったんです。ダチョウ倶楽部をした最後はその男の子が座ったのですが、座るときにご丁寧にお辞儀してくれたんですね。それだけでも十分いいのに、なんと電車を降りるために席を立った時にも軽くお辞儀をしてくれたんです。朝から心が浄化されました。少年よ、そのまままっすぐ育つんだぞ。

先日、ジャニーズの藤島ジュリー社長が1分ちょっとの謝罪動画を出しましたね。ジャニーズのお偉いさんが顔を出すのは珍しいですが、これ、動画を出した意味あります?

ジャニーズ、社長が謝罪も...知らなかった?

会見は無く、質問は文書で回答。なんのための謝罪動画?

故ジャニー喜多川による性加害問題について当社の見解と対応 | ジャニーズ事務所 | Johnny & Associates

上記のサイトで1分ほどの動画が公開されているのですが、その中で藤島ジュリー社長が謝罪を行っています。

その動画の中で藤島ジュリー社長は「ジャニー喜多川の性加害問題について世の中を大きく騒がせていることをお詫び」「被害を訴えられている方々に対して深く深くお詫び」「関係者・ファンの方々に大きな不安と失望を与えたことをお詫び」し、各方面からいただいた質問について文書で回答すると言っています。

これ、何のために動画を出したんでしょうね。普通ここまでのことだったら記者会見して、記者からの質問にリアルタイムで回答すべきだと思うんですけど、一方的にお詫びして、質問には書面で回答する。いや、動画じゃないんかいと突っ込みたくなります。

日本トップの芸能事務所が、未成年かつまだ中学生くらいだった子供に対して、性行為を行ったり、性的虐待を行っていた。性犯罪を行っていたというのに、わずか1分の謝罪と文字だけで回答。この対応はいかがなものかと思いますよ。

それに、「世の中を騒がせていること」「ファンの方に大きな不安と失望を与えたこと」をお詫びしており、ジャニー喜多川氏が行った性的虐待への謝罪は無いんですよね。「被害を訴えられている方々に対してお詫び」も一応していますが、後述のように性的虐待があったか否かについては、明言していないので、口だけの謝罪のように思えます。

そもそもこの1分ちょっとの動画出す必要ありました?それこそ書面で良かったのではないかと思います。僕の主観ではありますが、「普段表に出ない人が顔を出して、それも頭を下げたんだから、もういいでしょ?これで終わりね」ってしたいように思えてしまうのですが、これは僕の性格がひねくれているからでしょうか。

事実認定を避けた回答

書面で質問に回答していますが、ジャニーズ事務所は現段階でジャニー喜多川氏による性的虐待について、事実だったとは認めていません。以下のように回答しています。

当事者であるジャニー喜多川に確認できない中で、私どもの方から個別の告発内容について「事実」と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではなく、さらには憶測による誹謗中傷等の二次被害についても慎重に配慮しなければならないことから、この点につきましてはどうかご理解いただきたく存じます。
とは言え、目の前に被害にあったと言われる方々がいらっしゃることを、私たちは大変重く、重く受け止めております。

出典:故ジャニー喜多川による性加害問題について当社の見解と対応 | ジャニーズ事務所 | Johnny & Associates

たしかにジャニー喜多川氏は既にこの世を去っているので、事実かどうかということを証明することは難しいと思います。

ただ、上にもあるように実際に被害に遭われた方が居るんですよ。もし事実でないというならば、その被害に遭われた方々が噓をついているということになります。

2003年に裁判によってジャニー喜多川氏の性加害は事実認定されているわけですし、被害に遭われた方が次々と名乗り出ています。それを鑑みても実際に性的虐待が行われていた可能性が高いですよね。

告発者がウソをついて何の得になる?

父とも話をしたのですが(家族とどういう会話してるんだよ)、父親は証拠も何もないので告発をした人たちが嘘をついている可能性もあると言っていました。それはそうです。

しかし、告発をした方々はお互い面識がないと言っています。面識のない人たちが次々と被害を受けたと声を上げています。繰り返しにはなりますが、2003年の裁判所での事実認定もそうですし、仮に声を上げた方々が虚偽の告発をしていたとして、何の得になるのでしょうか。

それこそ証拠がないので、ジャニーズ側からかつてのように「事実無根だ!」と名誉棄損やら営業妨害やらで訴えられる可能性がありますよね。

告発することによって世間から注目され売名ができるとも父親は言っていました。たしかにカウアン・オカモト氏や一部の方は確かに実名を出して告発をしています。しかし、BBCの取材では仮名を用い、顔を隠していた方も居ます。それに芸能界から去っている人も居ますし、決して売名が目的ではないことは明らかです。

それに、カウアン・オカモト氏が実名で告白したのも、匿名や仮名より名前・顔を出した方が信憑性が高まるからだと思います。ネットでどこのだれか分からない人が告発するよりも、顔・名前を出して告発した方が信用できますよね。

BBCでの放送の中にもありましたが、ただでさえ性被害は声を上げることが難しい。痴漢に遭った女性が怖くて声を出せない、泣き寝入りをしてしまうということもあります。その上に、男性が性被害を受けているともなると声を上げることはすごく勇気のいることだと思います。相当なプレッシャーや不安などもあったと思います。

なので、僕は告発した方々が嘘をついているという可能性は低いんじゃないのかなとは思います。また、無罪推定の原則や疑わしきは罰せずという言葉があるように、ジャニーズ事務所がやったと決めつけてたたくのもどうかとは思います。しかし火のない所に煙は立たぬ。

「知らなかった」取締役なのに?

そして、藤島ジュリー社長は同サイト内でジャニー喜多川氏による性的虐待を知らなかったと回答しています。

週刊文春から取材のあった1999年の時点で、私は取締役という立場ではありましたが、長らくジャニーズ事務所は、タレントのプロデュースをジャニー喜多川、会社運営の全権をメリー喜多川が担い、この二人だけであらゆることを決定していました。情けないことに、この二人以外は私を含め、任された役割以外の会社管理・運営に対する発言は、できない状況でした。また管轄外の現場で起きたことや、それに対してどのような指示が行われていたのか等も、そもそも全社で共有されることはなく、取締役会と呼べるようなものも開かれたことはありませんでした。本件を含め、会社運営に関わるような重要な情報は、二人以外には知ることの出来ない状態が恒常化していました。

振り返るまでもなく、その状態は普通ではなかったと思います。ただ、1962年の創業時からずっとこの体制で成長してきたこともあり、ジャニーとメリーの二人体制=ジャニーズ事務所であることを、所属する全員が当然のこととして受け入れてしまっていたように思います。私自身その異常性に違和感を持つことができなかったわけで、ただただ情けなく、深く後悔しております。

出典:故ジャニー喜多川による性加害問題について当社の見解と対応 | ジャニーズ事務所 | Johnny & Associates

しかし、そんなことありえるのでしょうか。

1999年には文春が報道をしていますし、それ以前から告発本というものは出されていました。そして、その文春の報道を受けて裁判が行われているわけです。それを知らなかったって、あなた取締役ですよね。なぜ会社が裁判を起こしているのに知らなかったのでしょうか。

「知らなかったの、じゃあ仕方ないね」とはなりませんよね。「なぜ知らなかったの?」、「なぜ知ろうとしなかったの?」「本当に知らなかったの?」と疑念の声が上がるのは当然。

また、会社の体制が普通でなかったと分かっていて、なぜその時におかしいと言わなかったのか。名ばかりとはいえ、取締役という立場を失いたくなかったのでしょうか。保身に走っているようにしか思えません。


以前の記事「ジャニー喜多川氏による性加害問題、今度こそ沈黙するな。」でも書きましたが、この問題を見てみふりをしたメディアも同罪ですよ。

2003年の裁判の時にメディアが大きく取り上げていれば、藤島ジュリー社長も「知らなかった」とは言えなかったでしょう。それに、ジャニーズ事務所も変わっていたでしょう。なのにメディアは沈黙し、新たな被害者を生み出してしまったのです。

今度こそ新たな被害者を出さないために、沈黙してはならない。