本来の意味とは違いますが、最近「金の切れ目が縁の切れ目」ということわざを最近気に入りました。本来の意味は金でつながっている人間関係は、利益がなくなったら縁がなくなる、という意味。僕はその解釈を捻じ曲げて、金銭関係で何か揉めたら、縁も切れるよね、と勝手に解釈しています。
いい歳にもなって、お金の管理がだらしなかったり、立て替えてもらったお金も返さないような人は、縁が切れますよ、ということですね。「返せ」といったら「お金ない」とか言っておいて、インスタのストーリーに外食したラーメンやらカレーやらの写真を載せ、夏には友達とキャンプだかBBQだか行く計画もあるらしく。あれ、お金がないのでは…?呆れますね。
今日取り上げる話題も、お金に関わるものです。タイトルの通り、例の中古車販売店のお話です。
「ビッグモーター事件」を3つに切り分ける
今話題の「ビッグモーター事件」ですが、僕は大きく分けて3つの問題があると思っています。その中でもまた細分化できますが、ここでは端的に3つの問題のみを見ていきます。
その1 わざと傷をつけ、修理代金・保険金を水増し
一番大きな問題となったのが、ビッグモーターの板金部門において、修理代金(保険金)を水増ししていた問題。
手口としては、サンドペーパーやドライバーなどで車体に傷をつけたり、靴下にゴルフボールを入れ、それを振り回して車体に当てたり、ネジでタイヤをパンクさせたり、多種多様。
これらの行為で、車をわざと傷つけ、保険会社に「これだけたくさんの傷がついてて、修理にたくさんお金かかったから、お金チョーダイ」とビッグモーターが言っていたわけですね。
それで、知ってか知らずか、ビッグモーターにそのままお金を渡していたとのこと。なぜ「知ってか知らずか」と書いたかは後述します。
お客さんは「ビッグモーターなら安心して修理を任せられる」、「料金が安いから」、「有名だから」など理由はどうであれ、ビッグモーターを信頼して車を預けて修理を任せたはずです。
それなのに、自らの利益を優先し、お客さんの車にわざと傷をつけて、金をだまし取る。悪質極まりない。
前社長は「ゴルフボールで傷をつける。ゴルフを愛する人への冒涜ですよ」と会見でおっしゃっていましたが、違う違うそうじゃない。ゴルフを愛する人よりも、お客様への冒涜でしょ。何ゴルフボールを最優先にしてるわけ?あなた方はゴルフ屋さんですか?(笑)
その2 前副社長によるパワハラ
初めて見たときは、これ大人が書く文章なのかと愕然としました。
店長らが加入するLINEグループで「教育教育教育教育教育死刑死刑死刑死刑...」などと、店長を罵倒していたようです。本当に教育が必要だったのは、紛れもないこの前副社長ご本人のようですが。
他にも、ちょっとご機嫌斜めになるとすぐ降格処分にしたり、「店長降りろやボケ!」とか「タコが!!!」とかLINEグループに招待してすぐ入らなかったら「店長、役職者は解任してください」とか。
大体の人は「てめえが副社長降りろやボケ!」と言いたくなると思いますが、肝心の本人はこの問題が出てきてからは公の場に姿を現していません。
ちなみにこの前副社長、前社長と親子関係にあり、前社長は前副社長を「一生懸命やっていた」と評価しており、「息子(前副社長)に会社を継がせたい」と発言し、その一言から前副社長は更に調子に乗り、前述のようなパワハラが増えていったとのこと...典型的な「お坊ちゃま」ですね。
というかこのLINEが流出し、どこからもこの前副社長を庇うような声が聞こえてこない時点で、ビッグモーターの社員からも人望が無かったんだろうなあ...なんて思ったり。
その3 店の前だけ街路樹や植栽が枯れる?
最近はこの問題も話題ですね。全国のビッグモーターの店舗前だけ、なぜか街路樹や植え込みが枯れているという問題。
結論から言うと、ビッグモーターが「環境整備点検」という名目で、店の前の植え込みに除草剤を撒いて枯らしていたとのこと。
これまたあり得ない話ですよ。そもそも街路樹や植栽は歩道上にあることがほとんどで、歩道はビッグモーターの敷地ではない。なのにそこに勝手に手を加えるのはおかしな話です。
それに、街路樹や植栽は公道にあるわけで、これらはもちろん税金で植えられ、管理されているわけです。いわば「公共物」にあたるわけですね。その「公共物」を誰の同意もなく勝手に除草剤を撒いて枯らしたなんて、税金を払っている市民への冒涜ですよ。(前社長ボイス)
客を裏切り、保険会社を裏切り、市民を裏切る、裏切りすぎて逆に表になってる(?)
ビッグモーターと損保ジャパンの怪しい関係性
これビッグモーターだけの問題かと思ったら、そうじゃないかもしれません。損保ジャパンとビッグモーターの関係性も怪しいと思われています。
ビッグモーターと損保ジャパンはWin-Winの関係だった
報道などによりご存じの方も多いとは思いますが、ビッグモーターと損保ジャパンはWin-Winの関係だったと言われています。
というのも、損保ジャパンは事故車を「ビッグモーターで直すといいよー」とビッグモーターを紹介し、でビッグモーターは「損保さん紹介してくれてありがとう!お礼に保険契約の数増やすね」と、ビッグモーターは修理する車が増えて、売り上げが増えるし、損保も紹介したら保険の契約数を増やしてもらえる。だからお互いWin-Winの関係だったんですね。
損保側は多少水増し請求をされたとしても、新規で保険契約を獲得できれば、売り上げは伸びますし、保険の等級が下がれば保険料が実質値上げするので、損保の収入も増えます。
損保は「不正は認識していなかった」と否定していますが、この発言を真に受ける人っているのでしょうか?
損保ジャパンがビッグモーターの報告書改ざんを見て見ぬふり→金融庁へ虚偽報告
というのも、損保ジャパンは昨年、ビッグモーターの従業員が「工場長による不正の指示があった」と内部告発を行ったものの、ビッグモーターが「指示は無かった」と改ざん。それを損保ジャパンも把握していました。
しかし、損保ジャパンは金融庁に対して「不正の指示は確認できなかった」と報告し、停止していた事故車の紹介を再開しました。
参考:内部告発者の証言改ざん ビッグモーター保険金不正:東京新聞 TOKYO Web
この構図、損保がビッグモーターを庇っているように見えませんか?
普通だったら「え、内部告発が無かったことになってるけど、どういうこと?」とビッグモーターに聞くはずでしょう。実際、損保ジャパン以外の「東京海上日動」と「三井住友海上」の二社はビッグモーターの報告に疑義を抱き、取引は停止したままでした。
しかし、損保は「不正はなかった」と言って、損保だけがビッグモーターと取引を再開。こりゃあグルでしょ、って言われてもおかしくはないですよね。だって、損保ジャパンは内部告発が改ざんされていたことを知りながら、金融庁に噓の報告をして、一社だけ取引を再開したんだもの。
損保ジャパンが37人もの社員をビッグモーターへ出向
そして、損保ジャパンは2011年から計37名もの社員をビッグモーターへ出向者を出していたことがわかっています。
ビッグモーターと契約している他社はどうなのかというと、例えば「東京海上日動」は2017年度から3名、「三井住友海上」は2020年度から3名派遣をしています。損保の37名とは桁が違いますね。
前副社長が損保ジャパンの前身企業に一時在籍
そして「教育教育教育死刑死刑死刑...」などと言っていた前副社長が損保ジャパンの前身企業に一時在籍していたことがわかっています。
だからなんだと言われるかもですが、在籍時に築いた関係が、このビッグモーターと損保ジャパンの「深いつながり」に影響している可能性も無きにしも非ず。
「俺たち仲良かったでしょ?事故車紹介してくれない?そしたら保険の契約数も増やすからさ」「君の言うことならなんでも聞くよ!」的なこともありえなくはないということですね。
ただ1年ちょっとしか在籍していないとのことでした。いや1年で辞めたんかい。
ビッグモーターはお客様を裏切っており、損保ジャパンももしこの不正を知っていても尚、取引を続けていたというなら、ビッグモーターと同じでお客様を裏切る極めて悪質な行為です。
特に保険会社という信頼、安心を提供するような企業が、このような客を裏切る行為に関わっていたもしくは、見て見ぬふりをしていたともなれば、損保という会社の信頼が地に落ちることになります。
今後調査は進んでいくことになると思いますが、真相を解明し、二度とこのような客を裏切るような企業がのさばることのないようにしていただきたいものです。