たきぶろぐ

「大人」になりたくない人の雑記

政治と宗教の話

安倍氏が銃で撃たれて亡くなった事件から早1週間。容疑者は「旧統一教会(現 世界平和統一家庭連合)と安倍氏が関係があったと思った」と言及しているようです。容疑者の母親が熱心な旧統一教会の信者だったようで、1億円以上を献金。その後自己破産。

安倍氏はかつて旧統一教会のイベントにビデオメッセージを送っており、旧統一教会と安倍氏の繋がりを疑う声も出始め、安倍氏だけでなく多くの国会議員が旧統一教会とつながりがあるとの報道も出始めていますね。

憲法二十条で信教の自由は保障されていますが、政教分離の原則も明記されています。

〔信教の自由〕

第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

出典:日本国憲法 | e-Gov法令検索

宗教が政治と絡むとろくなことがないのはイスラム圏のゴタゴタであったり、キリスト教の宗派間の対立であったり、歴史上の宗教戦争を見れば分かること。

しかし、すべての人に対して信教の自由はあるわけですから、安倍氏が仮に旧統一教会の信者だったとしてもそれは何ら問題はないわけです。国会議員だから、政治家だから宗教を信じてはならないということではない。

なので、この前どこかのメディアが「旧統一教会と関係がある国会議員リスト」とやらを公開しましたが、僕は別に何とも思わないです。好きにすれば?という感じ。ただ、政治家は公務員でもあるため、公正公平・中立であることが求められます。政策等で旧統一教会を優遇したり、旧統一教会が政治に介入するようなことがあれば、それは許されることではない。旧統一教会に限らず他の宗教もそう。

しかし「民主主義」と「宗教」って悪い意味で相性がいいと思うんですよね。宗教って要は神(もしくは教祖)を強く信じている人が多いわけで。特に今回の容疑者の母親なんかもそうですが、周りが信仰をやめるよういっても聞かない人が殆どなくらい、信仰心が強い人がいるわけで。

旧統一教会の信者がどれくらいいるかは分かりませんが、教祖が「自民党に投票すればあなた方は救われる」とか言えば、信仰心の強い人は「教祖様がそう仰るなら」と言って自民党に投票すると思いますし、信者が多ければ多いほど自民党にたくさんの票が入る。これは政治家としても、宗教団体とつながっておけば選挙でたくさんの票「組織票」)が入るという「メリット」にもなる。だから政治家も宗教を信じなくとも、宗教と良い関係で居たいという人が多いのでは。

でも組織票って別に宗教に限ったわけではないですよね。ググれば「会社の上司からこの人に投票しろと言われた」といった情報が山ほど出てきます。宗教に限らず、企業や労働組合、小さいものだと家庭内とか大学のサークル等でもこういったことが行われているのですから。宗教云々の以前にこういう「組織票」というものがあること自体おかしいんですよ。

まず組織票にしか頼りにできない政治家なんて、まともな仕事していない証拠ですからね。まともな仕事をしていれば有権者は票を入れるでしょうし、組織票でしか票を得れないってことは、有権者から信用されていないことの裏返しなわけで。


旧統一教会に限ったことではないんでしょうけど、「この壺を買えばあなたに幸運が訪れますよ」とか「このお守りがー」とか言って高額なカネを要求したり、献金を強要する連中が居るらしいんですが、神様ってお金をもらわないと救ってくれないんですね。ケチケチしたゲンキンな神様ですね。

「信じる者は救われる」とか言ってますけど、逆に信じない者は救わないってのもね。神様って自己顕示欲がお強いのね(笑)。自分を信じてほしい、自分を見てほしいだけの、そこらへんのいいねがほしいTikTokerとかインスタグラマーとかと同じようなもんで。

国も規制しないんですかね。結局、宗教団体の皮を被ったカネが大好きな詐欺集団のせいでこういった事件が起こっているわけですし、表面化していないだけで宗教団体に家庭を壊された人なんてたくさんいるだろうし。

いかなる理由があろうと殺人を正当化することはできませんし、容疑者を擁護するわけでもありませんが、彼もまた宗教法人にカネをむしり取られて家庭・人生を滅茶苦茶にされた被害者といえるわけで。

政治家に限らずですが、宗教団体との関係を見直さないと、次は誰が狙われるかは分かりませんよ。宗教は多くの人を救ってきたのかもしれませんが、その反面多くの人から恨みを買っているのもまた事実ですからね。