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日本共産党さん、党首公選制を訴えた党員を除名処分!?

日本共産党さんが党首公選制を訴えた党員を除名処分としたことが話題になっています。「党首は選挙で公平に選びましょうよ」といった党員を除名するとは...さすが共産党という看板を掲げているだけありますね。もはや驚きもない。

日本共産党のロゴマーク

「党首公選制」とは

冒頭でもちょこっと書いていますが、党首公選制とは簡単に言うと「党首は公正公平な選挙で選びましょう」という制度です。日本の国会議員や全国の自治体議員が国民によって投票で選ばれているように、党の代表も党員による選挙で選びましょうというものです。

日本共産党以外の政党ではほとんどがこの直接選挙か間接選挙かを問わず党首公選制を導入し、党の代表は党員による投票で選ばれています。例えば自民党は2021年に総裁選を行い、立候補者の高市早苗氏・河野太郎氏・野田聖子氏を破り岸田文雄氏が自民党の総裁に就任しました。昨夏には日本維新の会が結党後初の代表選を行っています。

しかし日本共産党は選挙制度こそあるものの、「民主集中制」を執っており、代議員による事実上の信任投票で、他党の党首公選制とは全く違う選挙制度になっています。

23年間代表の座に居座る志位和夫氏

現在の日本共産党の代表は志位和夫氏。2000年に就任して以来約23年間日本共産党の代表の座に居座り続けています。勘違いしないでいただきたいのは、僕は長く代表の座に就くことが悪と言っているわけではないです。優秀なリーダーかつ後任にふさわしい人間がいないのであれば、長く代表の座に就くことは構わないと思っています。しかし志位氏がそれにふさわしい人かどうかといわれると、僕はそうは思っていませんので「居座っている」という表現を使用します。

今回党首公選制を訴えた方も恐らく僕と同様、志位和夫氏ならびに共産党の指導部に不満があったのだと思います。ではどのような不満があったのか。

長引く日本共産党の低迷。志位氏・党の指導部は何をしていたか

志位和夫氏が日本共産党の代表になって以降、日本共産党の低迷が続いています。

かつては20議席前後あった国会の議席も今は10議席前後をいったりきたり。テレビ朝日の政党支持率の調査によると、2006年以降は支持率が低い水準で横ばいになっていることがわかります。2006年以前のデータは調べても出てこなかったのですが、衆議院議席数や参議院議席数の変遷を見る限りですと、少なくとも2000年以前は日本共産党を支持している人も多かったと思われます。

しかしそれは過去の栄光。長引く支持率の低迷に党の代表である志位和夫委員長や党の指導部は一体何をしたのか。支持率の低迷が長引いているのは日本共産党だけではありませんが、少なくとも他の政党は代表の辞任や交代、指導部の刷新や場合によっては政策の転換で支持率の拡大を図っていますが、日本共産党は一体何をしていたのか。

政策の転換は簡単なものではありません。なぜならその政策に賛同した者たちが一つの党に集まっているわけなので、政策を転換するとなると党内で分裂や反発が起こります。しかし良くも悪くも旧民主党はそれを行い、国民民主党・立憲民主党などに分裂しています。日本共産党は頑なに政策や思想を転換せず、旧態依然とした政策・思想を堅持しているため支持の低迷が長引いています。共産党員がそれでも良いというのであればそれでもいいのですが。

20年も経てば世界情勢や日本を取り巻く環境は大きく変わります。それなのに何十年も昔から同じ主張・政策をしていれば、環境の変化に対応できず支持率が低下するのも頷けます。得票率が低いということは共産党の政策を支持する人が少なくなっているということ。主張を繰り返し支持を拡大することも大事ではありますが、そもそもその主張が国民に受け入れられるものかを考える必要があると思います。

例えば日本は今北朝鮮によって繰り返されるミサイルの発射や、ロシアによる北海道侵攻の可能性、中国による台湾有事、尖閣諸島への領海侵入、韓国によるレーダー照射問題、敵国認定、竹島の不法占拠といった問題を抱えているのに、自衛隊の解散や反撃能力の不保持は果たして国民に受け入れられるものでしょうか。

「安倍の独裁・長期政権を許すな!」なのに自分たちは党首選すら行わない

安倍政権時の安保法改正の際に、志位和夫委員長は会見で以下のように語っています。

私たちは“民主主義を守れ、独裁政治を許すな、安倍政権打倒”という大きなスローガンを掲げて、たたかいを院内外で進めていきたい。

出典:徹底審議と国民運動で戦争法案を必ず廃案に/民主主義守れ、独裁政治許すな、安倍政権打倒を 志位委員長が会見

また昨年に執り行われた安倍氏の国葬でも「民主主義の破壊だ」と言っていましたね*1。日本共産党の発行する新聞「しんぶん赤旗」でも安倍政権を長期政権であることや、上記のような民主主義の破壊などと批判しています。

で、肝心の日本共産党はというと、「党首選を行ったほうがいい」と訴えた党員を排除し、志位和夫委員長は選挙で選ばれたわけでもないのに23年間党の代表に居座っている。果たしてどちらが本当に民主主義を破壊し、独裁をしているのでしょうか。

日本共産党「党の規約に違反しているから処分した」

今回の除名処分に関して、志位和夫氏は「党の規約規範から逸脱している」*2、小池書記長は「異論があるからではなく、その異論を、ある意味では、突然、外から攻撃するという形でやってきた」と主張*3。批判を「攻撃」と捉えているのが、いかにも共産的というか何というか。中国といい北朝鮮といい、どうして「共産」は攻撃という言葉を使いたがるのか。

たしかに日本共産党の党規約第五条には「党の諸決定を自覚的に実行する。決定に同意できない場合は、自分の意見を保留することができる。その場合も、その決定を実行する。党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない。」、「党の会議で、党のいかなる組織や個人にたいしても批判することができる。また、中央委員会にいたるどの機関にたいしても、質問し、意見をのべ、回答をもとめることができる。」とあります。

しかしそもそも「党の決定に反する意見を勝手に発表することはしない」って規約、表現の自由はどこにいったのやら。規約自体がなんか前時代的というか時代にあっていないように思えます。それに「中央委員会に質問し、意見を述べ、回答を求めることができる」とありますが、では果たしてその中央委員会に質問をする機会や場がしっかりと設けられ、中央委員会が質問に対して回答を行ったのでしょうか?僕も都議会選挙の時に共産党に政策について問い合わせメールをしましたが、約2年たった今も返信がありません。有権者の質問にすら答えない人達ですから、党員から来た質問に答えていなくても不思議ではない。

それに、同じく共産党党規約の第三条には「意見がちがうことによって、組織的な排除をおこなってはならない。」ともあります。おやおや?また、第四十九条には「処分は、警告、権利(部分または全面)停止、機関からの罷免、除名にわける。」、第五十四条には「除名は、党の最高の処分であり、もっとも慎重におこなわなくてはならない。」ともあります。なぜ警告や警告停止などではなく、いきなり党の最高処分である除名処分となったのか。これは党の判断なのでとやかくは言えませんが、普通に考えたら警告を何回しても効果が無かったとか、法に触れるようなことをしたら除名ですよね。批判(共産党曰く「攻撃」)をしただけで除名は僕は異常だと思います。


日本共産党が党の規約に違反しただの主張をしようと、党の外側から見れば「党の批判をした人を排除した」と捉えられることは明白。それなのにこのような処分を行った日本共産党には呆れます。そもそもその日本共産党の言っている党の規約自体がいかにも前時代的で言論封殺を容認しているもので、繰り返しにはなりますがはっきり言って異常だと思います。

党員の意見を排除するような政党ですから、国民が反対の意見を述べたらどうなるか。考えるだけで恐ろしい。それこそ北朝鮮や中国のようなものですね。

統一地方選も近づいているだけに、日本共産党の今回の対応は党のイメージを悪化させる悪手だったとしか思えません。

日本共産党さん、党首公選制を訴えた党員を除名処分!?