たきぶろぐ

「大人」になりたくない人の雑記

「人間関係面倒で及び腰」ー欅坂46『アンビバレント』考察

欅坂46『アンビバレント』

欅坂46『アンビバレント』-欅坂46公式YouTubeより

たきです。

超久々の歌詞考察!今回はライブで大盛り上がりの欅坂46『アンビバレント』をやっていこうと思います!

個人的に歌詞も共感できるし、アップテンポで明るすぎず暗すぎない、バランスの取れた神曲だと思ってます。

それではいってみよー!

欅坂46『アンビバレント』MV

欅坂46『アンビバレント』歌詞考察

「孤独なまま生きていきたい」「だけど一人じゃ生きられない」

Ambivalent about
Ambivalent about
Ambivalent about
Ambivalent about

好きだというなら否定しない 嫌いと言われたって構わない
誰かの感情気にしてもしょうがない
他人に何を思われても 何を言われても聞く耳持たない
干渉なんかされたくない 興味がない

Blah Blah (Hey!) Blah Blah (Hey!)
孤独なまま生きていきたい
Blah Blah (Hey!) Blah Blah (Hey!)
だけど一人じゃ生きられない

出典:欅坂46『アンビバレント』
作詞:秋元康 作曲:浦島健太・TETTA

冒頭の「Ambivalent about」は「~について態度を決めかねている」という意味らしいです。

そしてその後の「好きだというなら否定しない~だけど一人じゃ生きられない」の部分でも分かる通り、この曲の主人公は「人間関係について態度を決めかねている」みたい。

言ってくれる人が居たらそれは否定しないし、嫌いと言われたって別にいい、いちいち誰かの感情を気にしててもしょうがない。他人に何を思われても何を言われても聞くつもりはない、干渉なんかされたくないし興味もない。

「Blah Blah」はHIP HOPでよく使われる言葉らしいです。深い意味はないらしいのですが、辞書で調べてみると「くだらない、ばかげてる」とかそういう意味もあるらしい。どっちなのかは分からんけど、「他人を気にしている人間はくだらねえ、ばかばかしい」と主人公は思ってるかも。

そして、「孤独なまま生きていきたい」「だけど一人じゃ生きられない」、主人公が一人でいたいけど一人じゃ生きられない、苦悩しているのが分かります。

「人間関係なんて幻想だ」皮肉る主人公

ラブソングばかり流れるシーズン
マジ恋人いない聞くなリーズン
誰かは誰かを必要多分
世の中ロマンスで回ってる

ねえ何をしたいの? どこに行きたいの?
私だったら何もしたくない

出典:欅坂46『アンビバレント』
作詞:秋元康 作曲:浦島健太・TETTA

ラブソングばかり流れる季節、でもこの曲の主人公には恋人は居ません。なぜ居ないかは聞くなと言われているので聞きませんけど、多分人間関係面倒、他人に干渉されたくないと思っているので、そもそも恋人以前に、他人と関わることすら億劫になってるんじゃないかな。

でも世の中の人々(誰か)は自分を支えてくれる誰か(彼氏・彼女・友達)を多分必要としている。世の中人間関係(ロマンス)で回っている。

「ロマンス」はいくつか意味があるんですけど、恋に関する意味もあれば、空想的・幻想的な要素の強い物語のことをさすっていう意味もあるみたい。

僕個人の解釈だけど、主人公は人間関係面倒だ、Blah(くだらない)って思ってる。でも世の中の人間は誰かを必要としている。主人公がロマンスと言っているのは、そういう人たちを「人間関係なんて幻想だ」って皮肉ってるんじゃないかな。

そして、道行くカップルや友人と遊んでいる人たちに「ねえ、何をしたいの?」「どこに行きたいの?」と聞いています。(実際に聞いているかどうかは別だけど)でも当の主人公「私」は「何もしたくない」と言っています(笑)。他人に合わせるの面倒だしね。

誰かと一緒に居たってストレス溜まるだけ

誰かと一緒にいたって ストレスだけ溜まってく 
だけど一人じゃずっといられない Ambivalent

出典:欅坂46『アンビバレント』
作詞:秋元康 作曲:浦島健太・TETTA

誰かと一緒に居たって、他人のご機嫌伺いしなきゃいけないし、他人に話合わせなきゃ気まずい空気になるし、下手すりゃハブられる。そんなこと気にしてたら誰だってストレス溜まるよね。

でも一人じゃずっといられないのも分かっている。一人が楽なのはわかるけど、一人でずっといるのは無理。うーん...Ambivalent!

「人間関係面倒で 及び腰」

あっちを立てる気もないし こっちを立てる気だってまるでない
人間関係面倒で及び腰
話を聞けば巻き込まれる いいことなんかあるわけないじゃない
それでも誰かがいなけりゃダメなんだ

I know (Hey!) I know (Hey!)
ちゃんとしていなくちゃ愛せない
I know (Hey!) I know (Hey!)
ちゃんとしすぎてても愛せない

出典:欅坂46『アンビバレント』
作詞:秋元康 作曲:浦島健太・TETTA

「立てる」って色んな意味ありますけど、ここで使われている「立てる」は「尊重する」「祭り上げる」「面子を立てる」とかそういう意味なんじゃないかな。

主人公はあっちの人間を立てる気もないし、こっちの人間を立てる気もない。そんなのめんどくさいという気持ちがそのあとの「人間関係面倒で及び腰」という歌詞につながります。

話を聞けばそんな面倒な人間関係に巻き込まれ、いいことなんかあるわけないと分かっています。でも誰かが居なけりゃダメなんだ。

「I know」は「私は知っている」という意味。何を知っているのかというと、一人で居たいけど、一人じゃ生きられないということ。

人間関係がちゃんとしていなくちゃ愛せないけど、ちゃんとしすぎてても愛せない。なぜならなんか気難しそうだから。(適当)

「ハッシュタグ付けた恋なんてごめん」

夏だから猫も杓子も猛ダッシュ
ハッシュタグ付けた恋なんてごめん
太陽味方につけたような よくいるタイプの単細胞 

さあ何を始める? どんな会話する?
やりたいことは別にないけれど...

出典:欅坂46『アンビバレント』
作詞:秋元康 作曲:浦島健太・TETTA

 「夏だから猫も杓子ももうダッシュ」という歌詞、何に向かってダッシュしているのかここだけでは分からないけど、後に「ハッシュタグ付けた恋」ってあるので、多分恋に向かってダッシュしてるんじゃないかな。この前のコナンで「ナンパしに海水浴場に来た」「いい男見つけるために来た」とか言ってたけど、多分そんな人たちのことを言ってるんじゃないかな(笑)

ちなみに「猫も杓子も」っていうのはことわざらしく、「誰も彼もみんな」という意味らしい。このブログ書いてて初めて知った(笑)。

そして、主人公はそんな恋に向かって猛ダッシュする人等を単細胞(物事をあまり深く考えない、単純思考の人たち)を「太陽味方につけたような よくいるタイプの単細胞 」とディスります。気持ちいい(笑)

「何を始める?」「どんな会話する」と主人公は周囲の人間に聞かれます。それに対して「やりたいことは別にないけれど...」と言っています。最後の「...」これ、主人公は何か言いたげですね。

何を言いたいのか、それは主人公にしか分からないけど、多分「やりたいことは別にないけど一人は寂しいから一緒に遊びたい/居たい」と言いたいのではないのかななんて思ってます。

ずっと自分だけの世界に引きこもっていたい

ずっと自分だけの世界に 引きこもっていたいのに...
青空の下でまだ無理をしなきゃいけないか

出典:欅坂46『アンビバレント』
作詞:秋元康 作曲:浦島健太・TETTA

主人公は「ずっと自分だけの世界に引きこもっていたいのに...」と言っています。最後の「...」これ、またもや主人公は何か言いたげですね(笑)。まぁ「一人で居たいけど、一人は寂しいから一人で居たくない」なんて思ってるんでしょうね。

でも外は夏、「太陽を味方につけたような単細胞」とディスった人たちばっかり。一人で居ないためには、その中から誰かを引っ張ってこなきゃいけない。一人で居ないためには、青空の下で「太陽味方につけた単細胞」と合わせて無理をしなきゃいけないのか、と主人公はますますアンビバレントな気持ちになっていきます。

 二番サビは冒頭部分と同じなので割愛。

間奏で悶える主人公

OH WOW WOW WOW WOW WOW!
OH WOW WOW WOW WOW WOW!
OH WOW WOW WOW WOW WOW!
OH WOW WOW WOW WOW WOW!

Blah Blah (Hey!) Blah Blah (Hey!)
Blah Blah (Hey!) Blah Blah (Hey!)

出典:欅坂46『アンビバレント』
作詞:秋元康 作曲:浦島健太・TETTA

 MVの(3:02~)の間奏部分、見てもらえばわかりますが、主人公を演じる平手がまず湖に一人で居ます。その後地面に寝そべる白い服を着たエキストラが映し出され、その後「OH WOW WOW WOW WOW WOW!」の部分では、はしゃぐメンバーを平手が棒立ちで見つめ、その後一瞬ポーズをして、「Blah Blah」の部分では平手が床に寝そべり体を震わせている様子が映っていますね。

その様子を見ると、「OH WOW~」で平手以外のはしゃぐメンバーが、主人公がディスっていた「太陽味方につけたような単細胞」の人たちで、それをまず棒立ちで見ていた主人公(平手)ですが次第にイライラが募り「やってられっか」、と謎のポーズをして地面に倒れます。

でも「一人になりたくない」という気持ちもあり、一人で居たくないけど、単細胞と一緒になってはしゃぐのは嫌だ!と体を震わせ悶えている模様。

歌詞でも「OH WOW~」がはしゃぐ単細胞たちを、「Blah Blah」がくだらねえと単細胞をあざ笑う主人公を、というように表現されています。主人公はくだらねえとは言っているものの、内心は悶えてるんですけどね。

押しつけの理性なんて信じない

願望は二律背反
押しつけの理性なんて信じない

出典:欅坂46『アンビバレント』
作詞:秋元康 作曲:浦島健太・TETTA

願望は二律背反...「二律背反」ってこれまた難しい言葉だなあ。意味を調べてみたけど「互いに対立し矛盾する二つの命題が、同等の権利をもって主張され、相矛盾して両立できないこと」らしい。つまりこの歌詞で言いたいことは、「願望(願い事や望み)は2つの概念が互いに矛盾していて両立することはできない」ということ。難しい...

そして、「押しつけの理性」とは何か、理性の対義語は感情。主人公はどんな感情を持っているか、そう!"Ambivalent"。アンビバレントな感情で主人公は苦悶しているのですが、理性はそのアンビバレントな感情の答えに値するもの。

でも主人公は「押しつけの理性(答え)」は拒否し、あくまでも自分でアンビバレントな感情に対する理性は自分で見つけると力強く意思をアピール。

ラストのサビは一番サビと同じなので解説は割愛。

一人になりたい なりたくない
一人になりたい なりたくない Oh! Yeah!

だけど孤独になりたくない
どうすればいいんだ この夏

Ambivalent about
Ambivalent about
Ambivalent about
Ambivalent about

出典:欅坂46『アンビバレント』
作詞:秋元康 作曲:浦島健太・TETTA

「一人になりたい なりたくない」が2回繰り返されていることから、主人公が苦悩している様子が分かりますね。一人では居たいけど「孤独」にはなりたくない。この夏どうすればいいのか。

最後はイントロ同様「Ambivalent about」で態度を決めかねている様子。

しかし、冒頭部分と2番サビが同じで、1番サビはラストのサビと歌詞が同じ。主人公の揺れ動く気持ちとサビがリンクしているようで、ホント面白いですよね。

 

以上、アンビバレントの歌詞を考察してみました。

この半年後「黒い羊」がリリースされ、主人公は一人で居ることを選んだのですが、2期生・新2期生という新たな仲間が加わって、主人公に変化が出るかもしれないですね。

いやあこれからの欅が楽しみ!