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「大人」になりたくない人の雑記

北京オリンピックの「外交的ボイコット」

アメリカ、イギリス、オーストラリアの3カ国が、来年行われる北京オリンピックの外交的ボイコットを検討したと報じられました。

日米は同盟国であり、中国包囲網ファイブアイズへの参加、連携も謳われる中、日本は北京オリンピックをボイコットすべきなのか。

外交的ボイコットとは

そもそも、外交的ボイコットとは何なのかという話ですが、簡単に言うと、オリンピックに政府の要人を派遣しないということです。完全なボイコットと違う点として、選手は派遣します。なので、選手がオリンピックに参加できないということはありません。

なぜ北京オリンピックは外交的ボイコットをされるのか

中国では新疆ウイグル自治区やチベットモンゴル自治区などで、少数民族に対して同化政策を行っています。そして、少しでもこの同化政策に反発するようなら、強制収容所に強制連行され、施設内で拷問、洗脳などが行われているとのことです。

これらの人権問題をアメリカやオーストラリア、EUなど世界中が問題視し、ボイコットを判断、検討しているとのことです。

オリンピック憲章には以下のような条文が書かれています。

2.オリンピズムの目的は、 人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、
人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである。

8.このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、
政治的またはその他の意見、 国あるいは社会的な出身、 財産、 出自やその他の身分など
の理由による、 いかなる種類の差別も受けることなく、 確実に享受されなければならない。

出典:オリンピック憲章

中国が民族浄化や、拷問洗脳などと言ったことを実際に行っているとするなら、このオリンピック憲章に反しているため、そもそも開催国としての資格がない。

ウイグルに関しては明確な証拠がないので、僕は何とも言えませんが、民衆を武力で弾圧する現代の天安門事件とも呼ばれる香港デモの弾圧。そして、つい先日、中共の要人が性的関係を強要したと告発したテニス選手が行方不明になった一件、台湾への脅迫行為等など…。まあ…日頃の行いですね。

それを見兼ねた欧米諸国が、「こんなオリンピック憲章に反した開催国が開くオリンピックなんかに行くものか!」とボイコットした感じだと思います。

日本はボイコットすべき?

現時点で日本政府は外交的ボイコットするかは決めておらず、岸田首相も「日本は日本の立場で考える」、「国益の観点から判断する」と発言。安易にバイデン大統領に追従せず、中国に行く可能性もある。でも、考えるとは言っているからその逆もある。うまいかわし方ですね。

しかし、「国益の観点から判断する」っていうのはどうなのでしょう。アメリカが人権の観点から外交的ボイコットを行うと発表したにもかかわらず、日本は国益で判断。拡大解釈をすれば、「日本の国益になるのであれば、人権弾圧をしているような国が開くオリンピックに参加します。人権問題?日本の国益のためだからそんなの関係ない」ともとれるかと。

アメリカやイギリスEUなど世界各国が政治的ボイコットをしようとしている中、もし仮に日本が中国に行くとなると、後々欧米諸国から冷たい視線を浴びることは勿論、中国の味方とみなされます。今後国際会議の場でどのように扱われるか、それこそ中国包囲網からの締め出しなんてこともありえます。

しかし、中国は日本にとって最大とも言える貿易相手。外交的ボイコットをするならば、日本に打撃を与えるため、制裁、輸出規制等何かしらの行動をとってくる可能性は否定できません。オーストラリアからの石炭を輸入停止したり、台湾産パイナップルの輸入を停止したり、弱い者いじめが大好きで、自分のメンツ大好きな中国ですから。(結局石炭不足で電気もろくに使えなくなってこっそりオーストラリアの石炭を使ってるっていうね。ダサッ)

日本はそれに備えて予め代替貿易先を見つけておくなり、中国依存を脱却するいい時期だと思います。それに来年には参院選が控えています。今の政府がこのまま中国に依存し、中国に媚びるのか、人権弾圧、弱い者いじめをするようなならず者国家にノーを突き付けるのか、これも一種の踏み絵のようなものですね。

政府には何十年も先を見据えて、しっかりとした判断をしていただきたいところ。

北京オリンピックの「外交的ボイコット」