ここ数ヶ月、ロシアがウクライナとの国境付近に部隊を配置・軍事演習を行っていること等から、ロシアがウクライナに侵攻するのではないかと危惧されています。
そもそもなぜロシア・ウクライナ情勢はここまで緊迫しているのか簡単に調べてみました。
ウクライナは数年前までロシアに配慮してNATO等の軍事同盟に参加しない「軍事的中立」という立場をとっていました。しかし、2014年初頭にロシアがウクライナに侵攻しクリミア半島を一方的にロシアに編入。なぜロシアがクリミア半島を欲しがったのかというと不凍港（凍らない港）があるから。ロシアは知っての通り北に位置し冬が長い上に、冬になると海が凍り港から船を出せなくなる。そうなると勿論貿易もできなくなるし、有事の際に海が凍っていたら港から軍艦や艦艇などを出せなくなる。だからロシアは凍らない港が欲しい。そこで、冬でも凍らない黒海に突き出し不凍港のあるクリミア半島に侵攻し、一方的に編入。
これもあってか、ウクライナは2014年末に「軍事的中立」を放棄し、NATO等の軍事同盟に参加できるようになりました。そして、2019年親EU派の現大統領がNATO加盟への方針を憲法改正などで示して以降、ロシアと停戦合意を結びましたが、2021年以降停戦合意違反が頻発。そして、ロシアが国境付近の軍備を増強し、今日に至るとのこと。参考にしたサイト等は記事の一番下に掲載します。
ロシアが国境に部隊を配置したり、軍事演習をすることは何ら問題ないと思っています。日本は島国で陸の国境が無いので実感がわかないとは思いますが、陸続きの国境ではザルな警備をしていると国境を越えて不法入国してくる人も出てくるとは思います。また、ウクライナがNATO加盟の方針を出していることから、ウクライナ・NATO軍がロシアに侵攻してくることを想定して軍事演習をすることも問題はないと思います。
分かりやすいところで言うと、韓国と北朝鮮の国境にはそれぞれ軍隊が配置されていますし、アメリカだってメキシコとの国境に軍隊ではないとはいえ国境警備隊を配置しています。そのことからも、ロシアが国境沿いの軍隊を増強し軍事演習を行うことは悪ではないと思います。
しかしロシアがウクライナに侵攻しようとしているのであれば、話は別。そもそもロシアは「軍事的中立」であったウクライナに軍事侵攻し、クリミア半島をぶんどったのだから、ウクライナとしては軍事的中立なんて何の為にもならず、NATOに加盟して有事の際にNATO軍と協力して領土を守れるようにしたいと考えるのは当然。それなのにNATOに加盟する方針を出したら国境付近に脅しのためか軍隊を配備・軍事演習。ロシアは我儘・自分勝手すぎる。
プーチンは「戦争はしたくない」などと発言をしているようですが、日ソ中立条約を一方的に破棄して北方領土などに侵攻しているあたり、ロシアの言う事は信用できませんからね。
2014年のロシアのクリミア侵攻もオリンピック・パラリンピックの間に行われたことから、今開催中の北京オリンピック閉会後の侵攻も考えられるので、油断できない状況。
仮にロシアがウクライナに侵攻した場合、戦争は起こるのか。ロシアがウクライナに侵攻し、NATO軍がウクライナを支援するとなった場合は、大規模な戦争が起こるリスクがありますよね。NATOにはアメリカも加盟していることから、米ロの衝突にもつながりかねませんし。
そして意図は分かりませんが、今年に入ってから北朝鮮がミサイル発射実験を繰り返している他、核実験やICBM発射実験の再開もチラつかせています。中国も今年に入ってから52日連続で尖閣諸島周辺を航行。中には機関砲のようなものを搭載した船もあったようです。そして、日々高まる台湾への軍事侵攻リスク。
アメリカがロシアウクライナ間の紛争に気を取られているうちに、北朝鮮や中国と言った国々が何か行動を起こす可能性も否定はできない。中国はオリンピック中で目立った行動はできないかもしれませんが、ロシアがオリパラ期間にクリミアに軍事侵攻をしたことを考えると、油断はできません。
ウクライナ情勢、外交で解決できればいいのですが、ウクライナの大統領は「NATO加盟は取り下げない」と発言しているため難しそうかな。
日本も対岸の火事と思わない方が良いのでは。
【参考】
・緊迫のウクライナ情勢、いま何が起こっている？ロシア軍｢一部帰還開始｣発表もNATO/事務総長｢緊張緩和の兆候見られず｣（解説）：更新 | Business Insider Japan
・ウクライナ - Wikipedia
・ウクライナ“軍事的中立”放棄へ改正案可決
・ウクライナ、ＮＡＴＯ加盟取り下げず 「自ら選んだ道を追求」＝大統領 | ロイター
