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「大人」になりたくない人の雑記

櫻坂46『Start over!』歌詞を考察。なぜ数秒前からやり直す?欅坂46との関係は?

櫻坂46『Start over!』のカップリング『静寂の暴力』のMVが公開されましたね。夏の近道とは一転、かっこいいパフォーマンスでしたね。セリフが入っているのも、3期生の声がじっくりと聴けてうれしいです。3期生のパフォーマンス力の高さも改めて認識できました。先輩たちと合流すると、どえらいことになりますね。楽しみです。

今日は先々週の「これが櫻坂46!6th single「Start over!」を考察【タイトル・フォーメーション編】」、先週の「オフィスをメチャクチャに!櫻坂46『Start Over!』ミュージックビデオを考察」に続き、『Start over!』の歌詞を考察していきたいと思います。

櫻坂46『Start over!』歌詞を考察。なぜ数秒前からやり直す?欅坂46との関係は?

櫻坂46『Start over!』ミュージックビデオ

櫻坂46『Start over!』歌詞考察

夜のコンビニで弁当を温めどんな奇跡を待っているの?

君は何か夢とかあるのかい? いつかやりたいなって思うこと
だって生きてく理由はあるだろ? 明日はこうしたいなんて願望が・・・
だから眠るんだ 人は皆 嫌なこと忘れるため
今日という日を乗り越えちまえば どうにかなると言い聞かせて・・・

こんな夜遅く コンビニのレンジで
弁当温め どんな奇跡待ってるの?
君はきっと分かってるだろ? いつの間にか諦めてること
だけど 気づかないふりをして・・・

出典:櫻坂46『Start over!』
作詞:秋元康 作曲:ナスカ 編曲:mellow

冒頭、僕は君に「夢はあるの?」と聞きます。君はしばらく沈黙していたのでしょうか。その沈黙する君に対して「だって生きてく理由はあるでしょ?明日はこうしたいなんて願望が」と説く。それでも君は沈黙しているようで「今日嫌なことがあったとしても、それを忘れて明日はなんとかなると自分に言い聞かせて人はみな眠るんだ」と説きます。

だけど君は眠らず、夜遅くのコンビニで弁当を温めている。そんな君に僕は「どんな奇跡を待ってるの?」と聞く。しかし君は僕を無視しているのか、僕はこう続けます。
「君はきっとわかってるだろ?いつの間にか諦めてることを。だけど気づかないふりをしている」

人はみな嫌なこと忘れるために寝ているのに、多くの人が寝ている夜に、君はコンビニのレンジで弁当を温めている。君はおそらく眠っても嫌なことを忘れられていなかった。ほかの人は「今日という日を乗り越えちまえばどうにかなる」と自分に言い聞かせて眠るが、君はそうじゃなかった。眠っても嫌なことを忘れられなかったし、今日という日を乗り越えてもどうにかならなかった。

だから眠ることはやめてコンビニのレンジで弁当を温めている。でもこんなことをしても結局は何も変わらない。だから僕は君に言ったんでしょうね。「どんな奇跡を待っているの?」と。「君はきっとわかってるだろ?いつの間にか諦めてること。だけど気づかないふりをしている」

コンビニで弁当を温めたところで、何かが変わるわけでもない。結局はほかの人と変わらず、今日が終わって明日が来る。ただその繰り返し。何か奇跡でも起こらない限りは、この同じ日々の繰り返しが終わることは無い。繰り返しを終わらせるためには自ら動くしかない。でもそれを君はしていない。だから君はほかの人と同じで、いつの間にか諦めている。だけどほかの人と同じように眠るのではなく、夜にコンビニに出ていることで、他の人とは違うフリ=気づかないふりをしている。一種の現実逃避ですね。

「逃げている今の自分 目を覚ませ」

Start over! Start over!
もう一度だけ やり直そうなんて思うなら
今しかない 後にはない
逃げてる今の自分 目を覚ませ!

ガラス窓に映った現実に
心は背中向けたくなるけど
自動ドアを出た瞬間 別人にもなれる
大事なのは どこからやり直すか?
そりゃ諦めかけた数秒前

出典:櫻坂46『Start over!』
作詞:秋元康 作曲:ナスカ 編曲:mellow

「Start over!」はやり直すという意味。

人生をもう一度だけやり直そうと思うなら、今しかない。後にはないと。気づかないふりをして逃げ居ている自分目を覚ませ!と訴えます。

ガラス窓に移った景色(現実)に背中を向けたくはなるけど、自動ドアを出た(コンビニを出た)瞬間に別人にもなれる。大事なのはどこからやり直すか。そりゃ諦めかけた数秒前。

君はコンビニを安全地帯だと思っている。ガラス窓に映った現実世界では「今日を乗り越えれば明日はなんにでもなる」とみな部屋の電気を消して真っ暗になっているが、コンビニだけは夜でも明かりがついている。コンビニだけは僕が逃げてきた「現実世界」ではない。窓ガラスに映った現実に背中を向けたくなる、逃げたくなる気持ちはわかるけど、自動ドアを出た瞬間別人にもなれる。やり直すのは難しいことではないということ。ただ無鉄砲に自動ドアを出ても結局はまた同じことの繰り返し。どこからやり直すかが大事。じゃあそれはいつなのか、そりゃ諦めかけた数秒前。

なぜ「諦めかけた数秒前」なのか。これは今までの自分を全否定しないためだと思います。これまで得てきた経験というのも受け入れつつ、やり直すことでステップアップを目指していく。ということだと思います。

自由が欲しい

それじゃ僕は一体何なんだ? 誰かのこととやかく言えるのか?
知らず知らず 自分は安全地帯で 評論家みたいに上から目線
どこをどうすれば ぬるま湯の環境を抜け出せる?
どうせだったら失敗したって 当事者でありたいのに・・・

防犯カメラに守られることより
誰も見ていない自由が欲しいだけ
何を犠牲にできるんだろう 代償なしは虫がいいね
だから 他人の目気にすんな

出典:櫻坂46『Start over!』
作詞:秋元康 作曲:ナスカ 編曲:mellow

しかし、僕は「誰かのことをとやかく言えるのか?評論家みたいに上から目線で。」と自問自答します。そうです。君と同じコンビニに居るということは、僕も君と同じで現実世界に背中を向けて安全地帯に逃げてきたのです。だから「僕は一体何なんだ?誰かのことをとやかく言えるのか?評論家みたいに上から目線で。」自分は逃げてきたという自覚はなかったけど、君に話しかけた時にそう気が付いたのでしょうね。だから、知らず知らずのうちに自分も安全地帯に居た。

安全地帯(コンビニ)は確かにぬるま湯のように居心地はいいですが、一生こんな人生(現実世界から逃げて、人とは違うと言いながら自分は上から目線で他人にとやかく言う人生)は嫌だ。だから抜け出したいと思っている。抜け出して失敗しても、現実世界から逃げているのではなく、現実世界で生きる当事者ではありたい。と思っているのでしょうね。抜け出して現実世界を生きたいという気持ちはあるものの、今現実世界を生きている人のような人生は嫌だ、という矛盾に葛藤している様子が「当事者でありたいのに」の後の「・・・」で読み取れます。

コンビニには防犯カメラが多数設置されていますが、コンビニに逃げたのは防犯カメラに守られることが目的ではなく、だれも見ていない自由が欲しいだけ。

ただその誰も見ていない自由を得る(=コンビニを出て、やり直す)ためには何を犠牲にできるんだろう。代償なしは虫がいいね、そんなことはないよね。だから他人の目は気にすんな。他人の目も一種の代償。でも誰も見ていない自由が欲しいなら、他人の目なんか気にすんなということ。

結局は僕も君と同じ穴の貉だった

Make it zero! Make it zero!
今日までずっと持ってたものなんてどうでもいい
見栄張るな カッコつけるな
冷めたら二束三文のプライド

風に吹かれ メッキが剥がれても
あそこのあいつほどは馬鹿じゃない
僕の方が少しはマシだって言い張って
君に向かって 全否定してやりたい
結局 同じ穴の狢

出典:櫻坂46『Start over!』
作詞:秋元康 作曲:ナスカ 編曲:mellow

「Make it zero!」は「ゼロにする」という意味。

今日までずっと持っていたものはどうでもいい。見栄を張ってかっこつけたところで、冷めたら二束三文=価値が高くない、価値のないプライドでしかない。

風に吹かれてメッキがはがれても「あそこのあいつほどは馬鹿じゃない、僕の方が少しはマシだって言い張って、君に向かって全否定してやりたい」と僕は思っていましたが、二番で君と僕は現実世界に背中を向けて安全地帯であるコンビニに逃げてきた、同じ穴の貉であったことがわかりました。

やり直せるならなんだってできる

“今さら”はダメかい? 遅すぎるのかい?
やり直せるなら 何だってできるだろう?
君は僕の過去みたいだな 僕は君の未来になるよ
どうせ自己嫌悪の塊

出典:櫻坂46『Start over!』
作詞:秋元康 作曲:ナスカ 編曲:mellow

「今さらはダメかい?」「遅すぎるのかい?」「やり直せるならなんだってできるだろう?」僕は君に質問攻めします。質問相手は君でもありますが、これは僕に対しての自問自答でもありますね。なんと言ったって僕と君は同じ貉。

「君は僕の過去みたいだな」「僕は君の未来になるよ」。どうせ自己嫌悪の塊だもの。これまで逃げていて、逃げていたことに気づかず、君に評論家気取りで上から目線でとやかく言っていた自分が嫌になり、僕は自動ドアを出てやり直すことを決意します。

1番と同じ歌詞だが、意味が変わるラスサビ

Start over! Start over!
もう一度だけ やり直そうなんて思うなら
今しかない 後にはない
逃げてる今の自分 目を覚ませ!

ガラス窓に映った現実に
心は背中向けたくなるけど
自動ドアを出た瞬間 別人にもなれる
大事なのは どこからやり直すか?
そりゃ諦めかけた数秒前

出典:櫻坂46『Start over!』
作詞:秋元康 作曲:ナスカ 編曲:mellow

一番のサビでは「逃げてる今の自分 目を覚ませ!」と君に向かって言っていたのですが、ラスサビでは僕、自分自身に向かって言っているように思います。楽曲的にも転調が入って明るくなったり、ダンスもラスサビでは感情を爆発させていることから、ラスサビは現実世界から逃げてコンビニに入った紛れもない自分(僕)が、自分に向かって「目を覚ませ!」と言っています。

やり直した先の未来についてはこの楽曲ではまだ触れられていませんが、いつか描かれる日が来るのでしょうか。

櫻坂46と欅坂46の関係性

僕は先日「なぜ欅坂46は櫻坂46へと生まれ変わったのか。 」という記事を投稿したのですが、簡単に要約すると櫻坂に改名したのに、欅坂への未練がタラタラじゃないかということを書いていたのですが、この楽曲を聴いてその理由が納得できました。

というのも、櫻坂46は言わずもがな欅坂46から改名して、アイドルをやり直した身。だからこの楽曲の主人公ともいえるわけですね。「やり直せるならなんだってできるだろう」という歌詞も、櫻坂46のイメージカラーがまだ何色にも染まっていない白。否が応でも櫻坂46と欅坂46との関連性が頭に浮かびます。

上記の記事で僕が「欅坂46に対しての未練タラタラやないかい」と突っ込んだのですが、この楽曲を聴いて納得できました。それが「どこからやり直すか?そりゃ諦めかけた数秒前」という歌詞。

考察の際にも書いたのですが、これはこれまでの人生を否定せず、これまでの経験を活かしたうえでやり直すということ。だから櫻坂46としてアイドルはやり直すが、欅坂46というグループは否定せず、欅坂46としての経験を活かし、ステップアップしていくということ。

だから全否定しているわけじゃないから、グループ名が同じ木へんの漢字で書く数が21画で、欅坂の角を曲がった先の櫻坂という名前にした、と考えると納得できます。

未練タラタラとか言って申し訳ございませんでした。この楽曲を聴いて、ますます櫻坂46のことが好きになりましたし、ずっとモヤモヤしていたものがこの『Start over!』という楽曲で解決できて、すごくスッキリしました。これまでも櫻ちゃんのことは好きで応援していましたが、もっともっと好きになりました。


櫻坂46『Start over!』は6/28発売ですが、サブスクなどでは6/21に先行配信されるようです。いよいよ発売日間近!この楽曲がもっと多くの人に届いて「やり直す勇気」、「新たな一歩を踏み出す勇気」を与えてくれたらいいなと思います。もちろん、櫻ちゃんが多くの人に知られると嬉しいです。

良かったらミュージックビデオ・フォーメーションの考察もしていますので、よかったらついでに読んでみてください。

これが櫻坂46!6th single「Start over!」を考察【タイトル・フォーメーション編】

オフィスをメチャクチャに!櫻坂46『Start Over!』ミュージックビデオを考察