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ロシアによる北海道侵攻は杞憂なのか

ロシアによる北海道侵攻は杞憂なのか

ロシアによるウクライナ侵攻がはじまってから2年。終わりの見えない戦争がいまだに続いていますが、このさなか実は日本にとって他人事ではないニュースが入っていたのをご存じでしょうか。

ロシアが北海道に侵攻するかもしれない。これは杞憂なのか、ロシアの北海道に対する過去の発言などをもとに考えてみます。ここから先はあくまでも僕個人の私見ですので、ご承知おきください。

ロシアが北海道を狙っていると考えるワケ

2018年 プーチン氏がアイヌ民族を「ロシアの先住民族」と認定

従来ロシアや、旧ソ連はアイヌ民族をロシア人ではなく日本人として扱っていました。

しかし2018年当時のロシア大統領プーチン氏が、アイヌ民族をロシアの先住民族とする考えを示しました。

なぜこれが侵攻の理由になるか。ロシアによるウクライナ侵攻が始まった際、プーチン氏は戦争を始めた理由に「住民の保護」を掲げていたためです。
参考:「自国民の保護のため」ほど侵略国家に都合のよい言葉はない 野蛮な行為で人類の歴史の針を一気に巻き戻してしまったプーチン(1/4) | JBpress (ジェイビープレス)

ウクライナがウクライナ東部のロシア系住民に対しジェノサイドを行っており、それからロシア系住民を守るためにロシアはウクライナに侵攻したんだ、というのがロシア(プーチン大統領)の言い分です。(そのくせウクライナのほぼ中央に位置する首都キーウに侵攻するという頓珍漢なことをやっていましたが)

ロシアは2008年のジョージア侵攻、2014年のクリミア侵攻でも「住民保護のため」と言い、侵攻を行っています。

このことから、ロシアが「北海道に居るロシアの先住民族『アイヌ民族』を保護するため」と言い、侵攻をする可能性があります。正気の沙汰じゃないですが、過去のロシアの行いを見ている限り、ゼロではありません。

ロシアの野党党首が「ロシアは北海道にすべての権利を有している」と発言

ロシアによるウクライナ侵攻が始まったあと、ロシアの野党党首であるセルゲイ・ミロノフ氏が「一部の専門家によると、ロシアは北海道にすべての権利を有している」と発言をしました。

野党党首ということで、ロシア政府としての発言ではありませんので、注意は必要です。

しかし、野党といえども実質与党のようなものです。たとえば最近亡くなられた、プーチン氏をかねてより批判していたナワリヌイ氏は、毒薬で何者かに暗殺されかけていますし、次回のロシア大統領選挙に立候補しようとした反戦派の立候補者は立候補が認められませんでした。また、一時モスクワに向けワグネルを進軍させていたプリゴジン氏も飛行機が墜落し死亡したとされています。

プーチン大統領や政府に対し批判・反対するような人間は、ロシアでは悉く排除されますが、「ロシアは北海道にすべての権利を有している」という発言をしたミロノフ氏は排除されていないことからも、ロシア政府も同様のことを考えている可能性があります。

先に書いた「アイヌ民族をロシアの先住民族と認定」と、「ロシアは北海道にすべての権利を有している」発言を排除しないロシア政府。これだけでも侵攻の理由には十分なりえるのではないでしょうか。

ソ連はかつて北海道侵攻計画を立てていた

有名な話ですが、旧ソ連は第二次世界大戦末期、北海道に侵攻する計画を立てていました。

なぜソ連は北海道に侵攻しようとしていたのか。ある研究者は以下のように語っています。

カリフォルニア大学・長谷川毅名誉教授:「クリール(千島列島)を占領する。太平洋から道を閉ざし、出口を獲得する。北海道の北端をとらないと、オホーツク海をソ連の内海にすることができない。将来を見越して、アメリカと敵対するであろう。北海道北半を占領するかしないかが、戦後の米ソ関係に非常に大きな影響を与える」

出典:「ソ連のやり方同じだな」今、考える77年前の“北海道占領計画”の真実

ソ連は千島列島を占領したうえで北海道の北半分を獲得し、オホーツク海をソ連の内海にしようとしていたのではないか、ということですね。

ソ連による北海道侵攻計画は、ソ連内部での反対意見やアメリカからの反対もあり、幸いなことに実行に移されることはありませんでした。

しかし、ロシアとなった現代でもこの野望をもし捨てていないのであれば、北海道への侵攻もありうるのではないでしょうか。そのために上記のような、アイヌ民族の先住民族指定、ロシアが北海道の権利を有している発言といった布石を打っているとも考えられます。

ロシア国内で表立って反発をしていたプリゴジン氏らは命を奪われ、旧ソ連時代のようにロシア国内で反対意見が上がらず、アメリカを含む世界各国が非難している現在も戦争をやめないロシア。ストッパーを失ったロシア(プーチン氏)が暴走し、北海道に侵攻する可能性は否定できないのではないでしょうか。

北方領土で進む軍事拠点化

日本固有の領土であり、ロシアが現在に至るまで不法に占拠している北方領土。ロシアは2016年に北方領土へ新型ミサイルを配備したり、軍事演習を行ったり、戦闘機を常駐させたり、軍事拠点化を進めています。

日本は憲法によって日本から戦争をはじめることができないことはロシアも知っているはず。

かといってアメリカが北方領土を狙っているかというと、アメリカは寧ろ千島列島をソ連のものとすることをヤルタ会談で認めているとロシアも主張しています。そもそもアメリカが日本の同意なしに日本の領土である北方領土周辺で戦争を始めるなどといったことは考えにくい。

ロシアを攻撃するものなど周囲に居ないと言っても過言ではないにもかかわらず、ロシアは北方領土の軍事拠点化を進めています。

自衛のためとしても、仮に北海道侵攻がはじまれば、北方領土が侵攻の拠点となる可能性もあります。

ロシアの非友好国リストに日本が含まれる

そして、ウクライナ侵攻後、日本はロシアの「非友好国リスト」にリストアップされました。

この「非友好国リスト」というのはその名の通り、ロシアが「非友好国=友好でない国」をまとめたリストになります。

日本はウクライナ侵攻後、ロシアに対して経済制裁などを行いましたがそれが理由のようです。

非友好国=敵というわけではないですし、非友好国になったからと言って何かあるかということではありません。

しかし、友好的な国と比べるとやはり敵対意識は強いわけです。仲の良い国に戦争をふっかけたりはしないですからね。ありえない話ではないですが。

日ロ間で平和条約が締結されていない

戦争を終結する際、平和条約を締結することが慣例となっています。

日本はサンフランシスコ平和条約に署名・締結したことで、第二次世界大戦は終結しました。しかし、ロシア(当時のソ連)はサンフランシスコ平和条約に参加しておらず、日ロ(日ソ)間で平和条約も締結されていません

では今もロシアと日本が戦争関係にあるかというと、そうではありません。平和条約がない代わりに、日ソ共同宣言を締結することで、日ロ間は戦争を終結し国交を回復させました。

「戦争が終わっているなら良いではないか」と思うかもしれません。しかし、日ソ共同宣言は平和条約ではないうえ、プーチン氏はウクライナ侵攻後に「日本との平和条約締結に関する協議を打ち切る」と発言をしていることから、当面の間日ロ平和条約が締結される可能性は低いでしょう。

そもそも、ソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄し千島や樺太・北方領土に侵攻してきた、国と国との約束を守らないならず者国家なので、日ソ共同宣言が締結されているからと言って安心はできません。

「日本人が大勢住んでいるから」と安心はできない

既知の事実ですが、北海道は当然日本の領土であり、日本人が大勢居住しています。

「世界的に見ても日本の領土だし、日本人が住んでるんだから、ロシアは手を出せないだろう」と思う方もいるかと思いますが、そうとは限らないでしょう。それは今の世界中で起きている紛争を見ても明らかです。

ロシアはウクライナ人がたくさん住んでいるにもかかわらずウクライナに侵攻しています。イスラエルもパレスチナ自治区に大勢のパレスチナ人が住んでいるにもかかわらず戦争を止めようとしていません。

過去に遡れば、アメリカ軍による沖縄地上戦、北朝鮮による韓国への侵攻、我々日本軍も中国や東南アジアの国々へ侵攻、占領しています。

民間人への攻撃は国際法で禁止されていますが、ウクライナ侵攻でも民間人が犠牲になっているうえ、イスラエルのパレスチナ侵攻でも、民間人が犠牲になっています。

過度に心配する必要はないと思いますが、ロシアが北海道を狙っているという事実は頭の片隅にでも入れておくべきではないでしょうか。